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交通事故で被害者が亡くなられた場合の対応方法について

交通事故が発生すると、残念ながら、被害者が亡くなってしまうこともあります。

死亡事故では、遺族も非常に大きな精神的苦痛を受けることになりますが、被害者の無念を晴らすためにも、加害者に対しては正当な賠償金の支払いを求めていく必要があります。

1.死亡事故のご遺族の方へ

交通事故が原因で被害者が亡くなられてしまうと、遺族の方は大変な心痛を被っておられることでしょう。そのお気持ちは、察するにあまりあります。

お通夜やお葬式、初七日やその後に続く四十九日などの法要を慌ただしく行い、いろいろな手続きに忙殺されながら、徐々に日常生活に戻っていくことになりますが、そういった事を進めても、悲しみが癒えることはありません。

そんな中、四十九日が過ぎた頃から相手の保険会社との示談交渉が開始することが多いです。しかし、被害者の遺族は、通常示談交渉などまったく経験がありませんし、悲しみも癒えない中で、こういった賠償金の話合いを進めることは非常に大きな負担となります。

不安を解消するためには、弁護士によるサポートが必要です。

 

2.死亡事故で、請求できる権利者

2-1.法定相続人が損害賠償請求権を相続する

死亡事故が発生した場合、被害者本人は亡くなっているわけですから、まずは誰が賠償金の請求を行うことができるのかが問題です。

この場合、請求権者は被害者の法定相続人となります。

交通事故の賠償金は、被害者の死亡とともに法定相続人に相続されると考えられているからです。遺族が複数いる場合には、それぞれの遺族が、法定相続分に従って損害賠償請求権を分割取得します。

2-2.賠償金を請求する方法

相続人が1人であれば、その相続人が単独で相手の保険会社と示談交渉をすれば良いのですが、相続人が複数いる場合、そうはいきません。

本来ならば、1人1人が自分の法定相続分について相手の保険会社に請求できるはずなのですが、現実には、加害者の保険会社は、遺族の代表を決めるように言ってくることが一般的です。1人1人が自分だけの分を請求しようとしても、他の相続人との示談に影響することなどを心配して、応じてくれないことが多いです。

そこで、複数の相続人がいる場合には、相続人の代表者を決めなければなりません。

相続人同士にまとまりがある場合には問題になりませんが、相続人間で争いがあったり非協力的な相続人がいたりして、まとまることが難しい事情があると、代表者を決められずに示談を進められないケースがあります。

このような場合、相続人全員が1人の弁護士に依頼することで、スムーズに示談交渉を進められる可能性があります。

 

3.死亡事故で請求できる損害と計算方法

次に、死亡事故で加害者に対して請求することができる損害の内容と、賠償金の計算方法を説明します。

死亡事故で発生する損害には、積極損害と消極損害、精神的損害の3種類があります。

3-1.積極損害

積極損害とは、交通事故が原因で、実際に支払いが必要になった支出分の損害です。

具体的には、以下のようなものが該当します。

  • 治療関係費

死亡事故であっても、即死ではないケースでは、入院などの治療が必要です。その間の治療費や付添看護費用、入院雑費などを請求することができます。

治療関係費は、必要かつ相当な実費を請求することができます。

  • 葬儀代

葬儀代は、葬祭費や供養料、墓碑の建立費や仏壇仏具の購入費用、四十九日までの法要にかかる費用などを請求することができます。こうした費用は、基本的に150万円を限度として、実際に支出した金額が損害として認められます。

  • 遺体搬送料

遺体搬送料がかかった場合、葬儀費用に足して遺体搬送料を加算して請求できることが多いです。

  • 物損

車が壊れたり衣類が破損したりするなど、物損が発生している場合には、物損被害についても請求することができます。

3-2.消極損害

消極損害とは、交通事故の被害者が亡くなったことにより、失われた利益のことです。

被害者は、事故に遭わなければ、その後働いて収入を得ることもできたはずですが、死亡したことにより、一切の収入を得られなくなってしまいます。そこで、こうした失われた将来の収入を、加害者に対して請求することができます。このような消極損害のことを、死亡逸失利益といいます。

死亡逸失利益を計算するときには、事故前の収入を元に、就労可能年限である67歳までに得られるはずの収入を計算します。

ただし、被害者は死亡することによって生活費がかからなくなるので、生活費の分は収入から差し引く必要があります。このことを、生活費控除と言います。生活費控除を行うときには、生活費控除率という割合を用います。

ケースごとの生活費控除率は、以下の通りです。

被害者が一家の支柱だったケース

被扶養者が1人…40%
被扶養者が2人以上…30%

被害者が一家の支柱以外のケース

女性の場合…30%<

男性の場合…50%

 

また、収入は本来毎年少しずつ受けとるべきものですが、当初に一括で受けとることにより、運用利益が発生してしまいます。そこで、中間利息として、将来分の利息を控除する必要があります。これについては、ライプニッツ係数という特殊な係数を使って計算します。

 

以上をまとめると、死亡逸失利益の計算式は、以下の通りとなります。

 

死亡逸失利益=事故前の収入×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数

 

3-3.精神的損害

死亡事故では、慰謝料も発生します。

死亡事故の慰謝料には、被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料があります。

被害者本人の慰謝料については、死亡の瞬間に被害者は大きな精神的苦痛を受けて慰謝料が発生し、それがそのまま法定相続人に相続されます。

遺族固有の慰謝料は、民法により、配偶者や子ども、親やそれに準じる人に認められます(民法711条)。兄弟姉妹や祖父母に固有の慰謝料が認められることもよくあります。

死亡慰謝料の相場

死亡事故での慰謝料の相場は、以下のとおりです。

  • 被害者が一家の支柱…2800万円程度
  • 被害者が母親や配偶者…2400万円程度
  • その他のケース…2000~2200万円程度

法的な基準である弁護士基準の場合、遺族がいたとしても、上記の金額から大きく加算されるという扱いはしていません。上記の慰謝料には、基本的に遺族の慰謝料も含まれると考えられています。ただ、遺族が交通事故で被害者が死亡するのを目の当たりにしたケースなどでは、個別の事情を斟酌して、上記の金額より慰謝料が相当増額されることもあります。

 

 

4.死亡事故の示談交渉を弁護士に依頼すべき理由

死亡事故が発生して、加害者の保険会社に対して賠償金の請求をするときには、弁護士にいらいするとメリットが大きいです。以下では、死亡事故の対応を弁護士に依頼すべき理由を説明します。

4-1.弁護士基準を適用することで、賠償金の金額が上がる

もっとも大きな理由は、弁護士に依頼すると大きく賠償金の金額が上がることです。

慰謝料を始めとした交通事故の賠償金の計算基準は複数あります。この中でも法的な根拠があり、妥当な基準は弁護士基準や裁判基準と呼ばれる基準です。

しかし、被害者の遺族が自分たちで加害者の保険会社と示談交渉をすると、加害者の保険会社は低額な「任意保険基準」という基準をあてはめてきます。

任意保険基準を適用されると、同じ事案でも大きく賠償金が減ります。たとえば死亡慰謝料の場合、弁護士基準と任意保険基準の差額は1000万円程度にもなります。

そこで、被害者の遺族が弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士基準が適用されるので、慰謝料だけでも1000万円以上アップすることになります。

ここまで差額が大きいと、弁護士に依頼せずに自分たちで示談交渉することは、損としか言いようがありません。

4-2.過失割合が適切に認定される

死亡事故では、過失割合が問題になることが多いです。傷害の事故であれば、被害者が自分で事故の状況を説明したり、自分なりの主張をしたりするので、事故の状況がある程度までは適切に認定されるものです。

しかし、死亡事故の場合、被害者は話をすることができませんから、事故の状況について、加害者の一方的な主張によって認定されてしまいます。このことで、被害者に不当に高い過失割合が割り当てられてしまう可能性も高くなります。

弁護士が示談交渉の代行を行う場合には、できるだけたくさんの資料や証拠を集めて、適切な過失割合の基準を当てはめるので、被害者に不当に高い過失割合が割り当てられることを防止出来ます。

4-3.遺族がまとまらない場合にも、代理を依頼できる

死亡事故で遺族が複数いる場合、なかなかまとまりにくいことがあります。相互に不信感を持っている場合や、非協力的な人がいる場合には、代表者を決められないので示談交渉を開始することができません。

このように、遺族がまとまらないとき、弁護士が代理人となることにより、遺族を1つにまとめることができます。

弁護士が窓口となれば、相手の保険会社も文句を言いませんし、賠償問題に消極的な相続人がいても、スムーズに示談を進めることができます。

4-4.精神的なストレスが軽減される

死亡事故の遺族は、ただでさえ深く傷ついており、交通事故の記憶をあまり思い出したくないと感じることが多いです。

しかし、示談交渉をするときには、どうしても事故の話ばかりをしなければなりません。また、相手の保険会社は、支払金額を減らすため、まるで被害者が悪かったかのような言い方をしてくることが多いです。慰謝料も大きく値切られるので、遺族にしてみると、「いったいどちらが被害者なのか」と感じ、強い憤りを感じることもあります。

このような対応は、非常にストレスが溜まるものです。

弁護士に示談交渉を依頼してしまったら、不快な相手保険会社との交渉はすべて弁護士に任せることができるので、遺族は普段の生活を取り戻しやすいです。

 

以上のように、死亡事故では弁護士のサポートを受ける必要性が非常に高いといえます。

死亡事故に遭われてこれから示談交渉をされたい遺族の方、すでに示談交渉を始めていて対応に困っている方、とりあえず今後の対応を知りたい方など、どのような場合でも、まずはお気軽にご相談ください。

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